May 5, 2005

 

 王家の谷 

 

 

エジプトに上陸して以来、毎日朝早く、時に深夜に起きなければならなく、

さすがに疲れがたまっていたのだろうか(´・ωヾ) 初めてゆっくり目覚める。

西岸からナイルから昇ってくる朝日を見ようと思ったけど、挫折。長湯してまったりまったり ヽ( ´ー`)

 

結局朝ごはんを食べてホテルをチェックアウトしたのが9時過ぎ。

日中、ルクソールの観光(特に山越え)をするのはかなり危険 なので、

ガイドブックにも早朝に出発を!と書いてあるにもかかわらず、

山越えをする時間にはちょうど太陽が一番高いときになるなあ(´・ω・`)と覚悟する。

 

ホテルの近くでセルビスをつかまえ、フェリー乗場へ。

フェリーの中から、タクシーの客引きがうるさいうるさい ('`;)

 

Σ(,,゚Д゚) なんと、ここで懐かしい顔に出会ったヽ( ´ー`)ノ

 

アブシンベルのツアーでばかたれ東欧人の被害を一緒にこうむったスイス人のカップル。ツアーの時に意気投合。

感動のあまり女の子と思わず抱き合ってしまった。この光景をみて、うるさかった客引きが全員ドン引き。

なんだかわからぬが客引きまで追っ払ってしまった。

彼女たちは昨日ルクソール入りして、今日は西岸を自転車で回るとのこと。

なんと、その後王家の谷でもそのツアーで一緒だった日本人の男の子2人とも再会する。こちらの二人もチャリンカー。

みんな旅行の行程がそっくりヽ(゚∀゚ )ノヽ( ゚∀゚)初エジプト定番コースですからのお。

 

私の“どうしても山越えをしたい。職人たちが歩いた道を歩きたい”という願いをかなえるためには、徒歩以外に方法がない。

王家の谷まで行く乗り合いセルビスはないため、足を確保しなくてはならない。

アフマドにだいたい相場は5LEぐらいと教えてもらっていたので、そこらへんのタクのうんちゃんをつかまえて言い値を聞いてみる。

20LEだの40LEだの、交渉するにも馬鹿らしいので、セルビスがいっぱいたまっている駐車場にいって聞いてみると、

8LEなら乗せていくよ〜”という運ちゃんがいたので、そのセルビスに乗り込んで一路王家の谷へ。

 

王家の谷は本当に山の中にあるため、山を切り開いて作った道路からみると、

 

Σ((((,,゚Д゚)))) 絶景

 

切り立った斜面を見ると、自分の墓を守りたかったファラオと盗掘隊との火花散る争いが目に浮かぶ( ´∀`)

 

王墓の周りはとにかくハエがすごい。口の中をめがけて飛んでくる。

チケット売場(王家の谷とハトシェプストのみ入口でチケット購入)で、大散財。

 

360LE って、エジプトで何日暮らせるんだああ ⊂⌒~⊃。Д。)

 

なによりもまず、水を手に入れなくてはならない。手持ちの水が少なく、これで山越えをしたら脱水状態間違いなし。

相当ふっかけられるのを覚悟('`;)

店のおやじは“5LE”でびた一文もまけない。

命にはかえられないので根負けして購入 (´д`;)

 

本日オープンしている王墓をチェック。

目玉であるラムセスVI、ラムセスIII、セティI、ホルエムテプは無情にも Closed Σ(゚д゚lll)

 

って、目玉全部かよ〜

 

ということで、ラムセスIX(20)→ツタンカーメン(18)→セトナクト(20)=タウセルト(19)→トトメスIII(18)→ラムセスI(19)

→メルエンプタハ(19)→ラムセスIV(20)の順で回ることにする。()は王朝名。

 

チケット1枚で3つの墓を見学できる。

墓の前にいる番人にチケットを見せると、

一つ目の墓で右上、二つ目で右下、三つ目で真ん中をちょっぴり 手でちぎられる(´д`;)

穴あけ機を使えばいいのにと思うけれど、手でちぎるという原始的な方法を使って改札する。

当然、墓の入口はちぎれた小さな紙が散乱。目も当てられない。

ツタンカーメンだけは別チケット。お一人さま、一回70LEと破格のお値段です。

 

★★★ 王家の谷情報 ★★★

 

2006280年ぶりにアメリカの調査隊が新しい墓を発見。

場所: ツタンカーメンの墓から10メートルも離れていないところ

時代; 第18王朝。ツタンカーメンとほぼ同時代のもの

 

ラムセスIX F:遺跡の正門に一番近い王墓。ラムセスIIの向かいにある。保存状態もあまりよくない。

ラムセスVIにもあるヌト女神の体を宇宙に見立てた天体運行図がある。

「ラーの練禱」「死者の書」「洞窟の書」「アム・ドゥアトの書」が書かれている。

ラーの練禱」は、夜の旅の間、75の姿にかわる太陽神ラーが朝に復活するというテーマ。ファラオの変容と復活を意味する。

アム・ドゥアトの書」は「死者の書」の一部。太陽神が12に分けられた夜の世界を順番に聖船で通過し、夜明けに復活するというテーマ。

 

ツタンカーメン A1922年、かの“ファラオの呪い”で有名なハワード=カーターによって発掘された未盗掘の王墓。

ラムセスVIを発掘した際、でてきた土砂で入口が埋もれていたため、20世紀まで無事な姿を留めた奇跡の墓。

ツタンカーメンは若くしてなくなった為、王墓は小さく、壁の装飾もわずかだが、鮮やかな色彩が当時のまま残る。

セム神官の衣装をまとうアイ王による「口開けの儀式」、ハトホル、アヌビス、ネイト、

時間の門を守る12頭のヒヒで表された「アム・ドゥアトの書」が書かれている。

ミイラはカーターらの願いどおり、いまもここに安置されている。

 

セトナクト=タウセルト D:セトナクト王は先王タウセルト女王の未完成の墓を自分のものとして拡張し、新たな玄室を設けて自分の石棺を置いた。

これはひとえに治世期間が短く、王家の谷における掘削事業を完遂させるだけの時間的余裕を得られなかったことを示す。

この王墓も未完成。赤色インクでかかれた下書き、手直しの線、途中まで彫った跡があったりと、なんだか中途半端な光景が残る。

当時、王墓を完成させるということよりも、王が死んだら、すぐに埋葬を行うことの方が重要だったんだろうなあ( ´_ゝ`)

また、新しい墓も造らなきゃならないし、どうせ埋まっちゃうんだし・・・という感じだろうか

 

トトメスIII @:一番谷の奥にある王墓。入口まで鉄の梯子で30mほど登らなければならない。

それでもしっかり盗掘されていたのだから、盗掘する方も命をかけてやっていたんだろうなあ。

壁面に書かれているのは「アム・ドゥアトの書」。白い漆喰のキャンバスに赤と黒のインクで文字と絵が書かれている。

絵は線画で、顔は○に・。 第一印象は落書き!!??

柱には「ラーの練禱」が書かれている。

 

ラムセスI B:壁の色が白ではなく青みがかった灰色。「門の書」がテーマ。19王朝初代の王、統治がたった2年だったため、当然未完成。

彫りもなく、茶色の線で輪郭がとられ、急いで作ったのが手に取るようにわかる。

 

メルエンプタハ C:ラムセスIIの息子であり後継者。ファラオに戴冠したのはなんと60歳過ぎていたという。

らむちゃん、年寄りはさっさと引退するべきなんじゃない!!?? ('`;)

坑道の壁面全体に白い漆喰を塗り、色彩豊かなヒエログリフが描かれている。

文字を黒と赤のみで書いていた18王朝とは異なり、文字にもすべて彩色を施し、文字も壁画の一部とみなされるようになった。

文字の色もちゃんときまっていたようで、同じ字には同じ色が使われている。

「ラーの練禱」「アム・ドゥアトの書」「門の書」「死者の書」がテーマ。

どっれもおんなじモチーフで飽きてきました。

 

ラムセスIV E:天井には古代エジプトの星座が描かれた天体図。一番奥に大きな石棺。

このあたりは力尽きて、なにがあったかよく覚えていません orz

 

 ※ ○の中の数字は年代順

 

まとめ:新しい王ほど、谷の入口に墓が集まっている。

先祖に谷の奥のいい場所をとられてしまって、もう掘れるところがなくなって墓地不足に陥っていたらしい。

また、谷という場所柄、地下水による壁画へのダメージが大きく、あっちこっちの墓で修復が行われている。

ラムセスII墓は浸水していたらしく、公開のめどはたっていない。

治世が短かった王の墓は規模が小さく、未完成なものが多い。装飾もやや雑である。

王墓に使われるモチーフはほぼ同じで、貴族の墓のようなモチーフを楽しむということはほとんどできない。

 

さすがに7つも墓をみるとおなかいっぱい (´・ω・`) 力尽きました(´д`;)

 

今度はひとつの墓を、じっくり時間をかけて見学したいなあヽ( ´ー`)