May 4, 2005

 

 気球に乗る 〜なぜか着陸は東岸にorz 

                                         

利用した気球ツアー: http://www.magic-horizon.com/

 

気球のルートを説明するのに、簡単なルクソールの地図から。

ルクソールは、ナイル川をはさんで、東岸と西岸に分かれる。

東岸は、生者の街として発展したため、巨大なカルナック神殿とルクソール神殿、街の主要機構、ホテルなどがある。

西岸は、死者の街として死者が葬られたため、王家の谷、王妃の谷、葬祭殿の遺跡、貴族の墓などがある。

南北につらなる不毛の山のふもとには、砂糖キビ畑や小麦畑が広がる。

通常、気球には西岸の空き地で乗船し、西の見所の方に向かって、

ラムセウム、デール・イル・マディーナ近くの上空をとおり、西南の空き地で着陸する。

気球ツアーは乗客の安全を考えて、下が空き地(畑)の上しか飛行できないようである。

さて、私たちのツアーは!?

 

 

5時に目が覚めたので、まったりと湯につかる。朝風呂 (*´Д`)サイコー

ただ、日焼けがぴりぴりして、皮がむけ始める。今日からは丹念に日焼け止めを塗ろうと心に決める。

 

安宿定番の朝食を取っていると、ピックアップバンがやってくる。

同行客は、ブルジョワ・アメリカ人ばかり。

若いときにしこたま稼いで、ゆうゆう自適年金生活をしている、白髪の恰幅のいいおば(あ)ちゃんとおじ(い)ちゃんってこと。

バンがせまい('`;) 座席はひとりひとつまでぢゃないの(;・∀・)

 

プライベートチャーター船でナイル川西岸へと向かい、お迎えに来ていた別のバン3台に分乗、気球乗場に向かう。

乗場では、すでに飛行準備が始まっていた。ひとつの気球に 20人あまりの地元の子供たち がかりだされている。

ガスが点火され、膨らんでいく気球のバスケットを必死でおさえている。

 

ちょっとまった〜Σ(゚д゚lll) このツアーに何人の人手がかかっているんだil||li(゚ロ゚;) il||li

 

バンの運転手やフェリーや気球のキャプテン・気球の準備と片付け。

なにかをやってもらうということに慣れていない私は、この時点で気分はひきまくり。

 

ある程度、膨らんだところで、“ひとりずつ乗り込め”と指示される。私は小さいので、一番最後。

バスケットは5つにわかれていて、真ん中は、キャプテンの操縦区域。4つが乗客用。

なぜか定員22人乗りと中途半端。(たぶん予備ガスタンク分??)

今回のツアーも満員御礼(・∀・)  ・・・当然狭い 狭い 狭すぎる(#・Д・)

 

男性陣がバスケットをよじ登り、安定をとる。

おばあちゃんたちはバスケットの穴に足をかけてよじ登るという芸当ができないため、

男性スタッフたちが お姫様抱っこ(*´Д`) をして、バスケットにかつぎあげる。

(;´∀`)。oO なかなかの力持ちだ”と感心してしまう。彼女たちは 80k超級 間違いないはずだけど。

で、最後に私がのりこむ。

穴に足をかけて、ひらりと乗り込もうとしていたら、後ろからひょいと抱き上げられて、バスケットの中におろされる。

 

ゴゥーゴゥーと音を立てるガス。気球がゆっくりと浮上していく。

地上では、子供たちが太鼓やトライアングルなどの音楽で見送ってくれる。

生まれて気球にはじめてのる彼は大喜び。

 

気球がゆっくりと西岸の見所の方角へ進む。荒涼とした山と緑の大地のコントラストがとてもきれい。

乗客が360°の景色を楽しめるように気球を回転させてくれる。

遠くの方に、デール・イル・マディーナの遺跡 が見えてくる。

午後に見学をする予定だが、ここは墓をつくるのにたずさわった職人や技術者が住んでいた街の跡。

ふもとの集合住宅跡と山の斜面の墓地が見える。

といっても、望遠写真では確認できるが、肉眼では遠すぎてほとんど確認できなかった。

 

そっちの方に向かうのかなあと思いきや、風にひっぱられ、北のほうに流されていく (´・ω・`)アレレ

 

遺跡が全然みれてないよお 。・゚・(ノД`)・゚・。

 

“風の向きが変わって、もっと遺跡の方に向かってくれ〜”という祈りはまったく届かず、あれよあれよと、遠ざかっていく。

ラムセウムも 写真 には写っているがこれも望遠レンズでの撮影。

クルナ村の家が点になって見えたぐらいにしか記憶がない。

ハトシェプスト葬祭殿にいたっては、こちらからのサイドでは見えなかった。

キャプテンが逆サイドの乗客に何が見えているのかを説明している。

“はやくバスケットまわしとくれ”と心の中で叫びつつも、ついに見ることができなかった。

 

('`;) イライライライライライラ ('`;)

 

今度は、東の方に流される。

地上には、広大な砂糖キビと小麦畑 一面の緑・みどり・みどり。

羊の群れが放牧されていて、空から見ると、白の点がアクセントになっている。

 

ところどころに点在する住宅をみると、屋上はゴミだらけ Σ(゚д゚lll)

ルクソールの多くの民家には“屋根”がないorz  最上階の天井が屋根(・∀・)なのだ。

将来、階の建増しをするときに手間がかからないという合理的な発想かららしい。

そして、家庭のゴミは現屋上(将来床)に捨てるヽ( ・∀・)

その後たまったゴミをどうするのかを聞くのを忘れたが、どう見てもゴミ屋敷のよう。

 

緑とゴミ屋敷、下に見えるものはそれしかない。さすがに飽きてきた。

 

キャプテン が無線で地上と連絡をとっているが、ひとつの会話ごとに最後にかならず“インシャッラー(アッラー()が望むなら)”をつける。

例えば、“今から高度を下げます。神が望むなら”っていう感じ Σ(゚д゚lll)

あまりにコースを離脱してしまったせいか、地上との連絡が頻繁になり、インシャッラーの連発 ( ゚Д゚)ハァ?

 

インシャッラーぢゃねええ

お前が操縦しているんだから、なんとかしろおヽ(#゚Д゚)ノ┌┛)д)  ゚ 

 

ナイル川が近づいてくる。

(゚Д゚≡゚Д゚).。oO あれっ、着陸は西岸にするはずでは。このままだと、街中に降りることになってしまうぞ Σ(゚д゚lll)

 

キャプテンもさすがにあせりをかんじているようだった。

すぐに高度は下げられないと判断し、ナイル川を横断 する。

一年に一度あるかないかというハプニングらしい orz

アフマドも東岸のオフィスから、川をわたっているめずらしい気球を見て、心配していたと後で聞く。

ナイル川を上空から見れたのはラッキー(・∀・)だったけど。

 

急遽、東岸に降りれそうなところを探す。なんと、カルナック神殿横の原っぱ に気球を降ろすという。

当然、神殿の敷地内だし、着陸許可もとっていない。

 

・・・・・ 着地 ⊂⌒~⊃。Д。)

 

なにごとかと地元民がわらわらと集まってくる。

この異常な光景を写真にとりたかったが、建前上気球にカメラの持ち込みは禁止”なので、我慢する。

警察も駆けつけてくる。

どうやら(当然)、降りてはいけないところにおりてしまったようで、警察もしきりに移動するようにと怒っている。

 

バスケットの中で動けない私たちは見世物状態 ('`;)

 

野次馬たちは警察とキャプテンの押し問答の最中も増殖し、30人以上になっている。

子供もものめずらしそうに見ている。

アメリカ人のおばさんが、“Here comes a gift-shop”と笑いながらのたまったのに腹が立った。

地元の子供をgift-shopとよばわりしたのだ。

 

あんた、それ、笑えないよ 人を何様だと思ってるの (#゚Д゚)

 

アンチ無知白人炸裂 (((((;`Д´)≡⊃)`Д)、;'.・

 

西岸に待機していたお迎えのスタッフが駆けつけてくるまで、さらされること10数分。

 

長かった(´Д⊂

 

そして、管理人の不満がふつふつと沸きあがってくる。(エジプト人のおもてなしの心につづく)