Apr. 30, 2005

 

 カフェで 〜テロの映像と現地人の対応〜 

 

 

ハンハリーリに近づくとちらほら土産物屋も出てきて、白人観光客 を見かけるようになる。

疲れたので、観光客がいるカフェに入る。

初カフェからガラベーヤおやじたちのあの視線に囲まれて休憩、という勇気はありませんでした。

シャイとカルカデ(どちらも3LE)を頼む。

 

あーっっ、砂糖のこといい忘れた。劇甘を覚悟する

 

運ばれてきたトレーの上には、なんと、シュガー容器と水の入ったグラス。

砂糖を自分で加減できるのはうれしい(´Д⊂

(その後、他のカフェでもホテルでも必ず砂糖は容器に入ってでてきた。ガラベーヤおやじだけがたむろしているアホワは未確認ですが。)

観光客に劇甘シャイは不評だと知っているのだろうか?

 

うれしさ半分、現地の甘さを体験できないがっかり半分ヽ( ´ー`)

 

ついてきた水はたぶん水道水と思われるので、初日からは無理でしょということで、口をつけるのはやめる。

そういえばまだミネラルウォーターも飲んでいない。

だれかが“テレビをつけろ”と叫び、カフェにとびこんでくる。現地人がカフェのまわりにあふれてくる。

道路に男が倒れている映像が流れる。あれっ、この立体道路の感じってバスターミナル?さっきいたところだよね?

 

なっ何が起こったんだ!?

 

アラビア語をまったく理解できない私たちはとりあえず画面から出てくる情報をなんとかキャッチしようと必死だった。

集団の中から“Go back to Japan”という声がとんできた(なぜ日本人とわかったかは不明だが)が、

2-3分もすると“ハラ―ス”といいながら、テレビを消してぱらぱらと解散してしまった。

 

おいおい、何が起こったんだ??説明はなしかΣ(゚д゚lll)!!??

 

まだ事の重大さがわからなかった私たちはのんきにシャイとカルカデをすすって休憩していた。

たぶん冗談かなにかか、はたまたけんかだろう。

しばらくすると、また“テレビをつけろ”と男が飛び込んできて、今日何かが起こったんだということは理解できたものの、

周りに聞くもなぞは解けず、ホテルのMr. Georgeに聞こうということで話がついた。

 

お勘定をしようと店員をよぶと、まず おつりをちょろまかそうとする (ー'`ー;)

とうぜん抗議。

“冗談だよ”といいながらおつりを出してくると、“今度は日本のものが欲しい”という。

あめを2個あげると、もっともっとコールがはじまり、56個手に持たせてやって“ハラース”といったが、

“家族が、友達が”とたかりだしたので、うんざりしてカフェを後にした。

 

どうしてふつうに気持ちよく客をおくりだせないんだろう。日本のありがとうございましたーがなつかしい。

なかなかいい人にめぐりあえない。

そんな感じでのんきに怒っていたヽ( ´ー`)

 

夜、ホテルのMr. Georgeに今日の出来事を聞いてみたが、

“バスターミナルで男が1人死んだだけ、なんでもない、なんでもない”を繰り返すだけだった。

そういうならまあけんか何かだったんだろうと納得しようとしたが、

次の日に落ちていた新聞をのぞくとグロテスクな血まみれの男の死体が一面トップ記事だった。

(エジプトでは、グロい死体を新聞の一面記事に載せることで、市民のテロへの怒りを増幅させていると、あとで知った。)

 

英語の新聞を買おうと新聞屋に行くが、“今日の新聞はない、昨日のならある、2部で10LEでどうだ”って、

昨日のじゃ意味ないし、同じもの2つもいらないし、新聞って1LEもしないでしょ、とつっこむのも面倒くさく、

ネットで調べるほどの重大事件でもなさそうだ と 現地情報の入手を怠ったのでした

 

帰国後、彼の母親が“連絡が取れず、本当に心配していた”と言うのを聞いて、4/30の出来事を調べてみた。

 

あの死んだ男はテロの自爆犯だったのだ。5/15/2の記事(ロイター)より・・・

 

カイロで観光客を標的にした自爆攻撃、観光バスへの発砲事件も−カイロ市内で30日、

エジプト考古学博物館近くで観光客を標的にした自爆攻撃事件が起きる一方、観光バスに対する発砲事件も発生した。

自爆攻撃を実行したイハブ・ユスリ・ヤシン容疑者は死亡。

7日にカイロで3人の観光客を殺害した爆弾事件を計画した容疑者グループのひとりで指名手配されていた。

犯人は橋の上から広場に飛び降り、そこで爆弾を爆発させた。この自爆攻撃により外国人4名が負傷した。

一方、カイロ南部で同容疑者の妻と妹による観光バスへの発砲事件が発生。犯人2人は死亡。観光客に死傷者はいなかった。

 

((;゚Д゚)ガクガクブルブル

 

・・・私たちはなんてのんきだったのだろうか。

 

観光大国であるエジプトで、エジ人(英語が話せるエジ人=観光にたずさわる人)が、

“すぐそばでテロがおこった”なんて、観光客に素直に言うわけがない

幸いにも犯人しか犠牲者がいないとなれば、事件を隠したくなる気持ちもわかる。

最近、大きなものから小さなものまでエジプトでは頻繁にテロが起こっている現実をしっかりみていなかった私たちに非があるのだ。

 

今回は、事件が起こる1-2時間程前に考古学博物館の辺りを脱出しており、何事もなかったが、

考古学博物館に魅せられていたらと思うと、背筋が寒くなる。

私たちがうろうろ歩いていた時、犯人はあの辺で犯行のチャンスをうかがっていたのかもしれない。

 

この一件で、ある日本人ツアー団体客が、

“ツアー中、観光するとき以外はホテルにずっと缶詰で、観光バスにもポリスがついてまわった”とぼやいていました。

(自由時間にタクシーに乗ることも出来なかったらしい。)

 

ツアーでは、行動は制限されるものの、最大限の安全策はとられます。(少し過剰とも思えたが・・・)

個人でいけば、当然、すべてのことが自己責任。

この日、現地で情報を入手していたら、怖くて、今回の旅行をめいっぱい楽しむことはできなかったかもしれない。

 

しかしながら、“現地情報には常に敏感に、日本との連絡手段を確保すること”は

 

最低限必要だとあらためて反省いたしました。